●旅de九条の会 設立趣旨

 

 旅de九条の会は、2004年6月10日に、日本を代表する知識人9人が集まって発足した「九条の会」のアピールに賛同し、国の内外にその運動を広める旅行業界人有志と旅行者有志の会として、2004年10月に発足しました。

 1990年1月17日〜の湾岸戦争、1991年〜のユーゴスラビア紛争、2001年9月11日の同時多発テロ、2001年10月7日〜のアメリカのアフガン侵攻、2003年3月19日〜のイラク戦争と、近年、アメリカ による地域紛争介入やテロリストとアメリカの報復の連鎖による戦争が世界の平和を脅かし、そのアメリカと軍事同盟(日米安全保障条約)を結ぶ日本の自衛隊が「後方支援」や「人道支援」を名目にして、アメリカの軍事作戦に組み込まれています。そんな中、旅de九条の会は、日本人の旅の安全と健全な旅行文化の発展に日本国憲法九条を守る運動は不可欠と強く自覚した旅行業界人有志と旅行者有志により結成されました。

 日本の旅行業界は、戦後、平和憲法のもと大きな発展を遂げ、近年では海外渡航者数が1500万人を突破(2006年度は1795万人)するまでに成長し、世界中どこを旅行しても日本人に出会わないことことはないぐらい、渡航地域も広がってきました。一方で、近年のテロ事件や戦争による相次ぐキャンセルで、その地域をフィールドにする旅行会社は、大きな経済的被害も受けてきました 。また、ニューヨークやロンドン、マドリッドで相次いで起きた大きなテロ事件は、戦闘地域のみならず、参戦国の首都にまで戦闘がおよぶ危険な状態を生み出し、戦争による旅の危険は世界中に拡散することもはっきいりしました。暴力は暴力の連鎖を生みだし、武力では問題が解決しないことがいっそう鮮明になり、日本国憲法の9条の条文を改悪させず、実践を政府にせまり、九条の理念を世界中に広め、輝かせる必要性が差し迫った課題になって いることを実感させられました。

 では、だれがそれをするのでしょうか?政府でしょうか?政治家でしょうか?文化人でしょうか?私たちは、国民一人一人がその必要性を感じたとき運動に立ち上がる必要があると感じています。ほかっておくと権力者の思い 通りになっていくのが世の常 です。建前上民主主義国家でも、国民の運動が無ければ権力者たちの思うつぼで、独裁政治とあまり変わりません。 日本国憲法がその前文で示した「全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ平和のうちに生存する権利」は、日本国民が世界市民との協同の力で勝ち取った自由と諸権利同様、日本国民と世界中の人々の不断の努力でそれを守っていかねばならないものだと思います

 では、旅行会社や関連産業従事者、旅行者の役割は何でしょうか?日本国憲法の平和理念を世界中の人々に伝えるのは、憲法を変えようとしている政府の役人でしょうか?日本から派遣されている国連の職員で しょうか?世界中の権力者と交流する政治家でしょうか?平和活動をするNGOの人だけでしょうか?やはり、それを感じたすべての人が意識的にそれをしないと、世界の平和の流れを加速することはできないと思います。平和憲法を持つ日本の旅行者がその重要な役割を担い、平和産業である旅行業 をなりわいとする従事者が「人類の悲願であった戦争のない世界の実現」という世界史を揺るがす大事業の一翼を担うことを誇りに思い、今こそ運動を世界に広めようではありませんか。

                                 旅de九条の会 世話人 椋木昭夫(旅行業従事者)

 

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